お酒のうんちく

◆お酒の種類と選び方◆
日本酒と一言で言っても種類がたくさんあって、どのように選べばいいのかなかなか難しいものです。
いろいろ飲んでみて、自分の好みのお酒を見つけるのが一番ですが、このコーナーではその手助けとして、
日本酒の種類と選び方や日本酒と健康についてなど、日本酒を楽しむための様々な情報を皆さんに紹介します。

種類一般的な
呼び名
原  料一升瓶1本に
使用する
お米の量
特  徴健康
には


・純米酒
・純米吟醸酒
・純米大吟醸酒

米・米麹


日本酒本来の旨みを持った、個性豊かで香りの良い美酒。醗酵したアルコールが体に優しく、健康的に楽しく酔えます。口臭や頭が痛くなることが無く、酔いさめが良いのです。




・本醸造
・吟醸
・大吟醸

米・米麹
醸造用アルコール添加



味を軽くするために添加アルコールを使用しています。ちょっと中途半端な位置づけでわかりにくいお酒なので、できれば純米酒に切り替えていただきたいものです。






・普通酒
・上撰・佳撰
・「米だけの…」など

米・米麹
醸造用アルコール
または糖類添加



一般に出回っている大手メーカーのお酒がこれです。日本酒は臭いとか、悪いイメージを作ってしまいました。若者の日本酒離れは、このお酒から始まりました。


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・合成清酒 米・米麹
醸造用アルコール
または糖類・酸味料その他


使



大量生産するために、少量の添加物と米でごまかして作った合成酒。健康を害するのが怖いので、おすすめできません。お酒とは呼ばないでほしい。安いのにはわけがあります。


大きく分けて以上の通りですが、いかがですか。
ご覧の通り、酒づくりを知ってしまった私たちの酒屋にとっては「お酒はやっぱり純米酒」となるわけです。
もちろん、飲むのも売るのもすべて純米酒です。
日本酒がすべて純米酒になることを夢見て、みなさんが良いお酒に出会えることを心より願っています。


◆お酒ができるまで◆
「日本酒は、お米を発酵させて造られる醸造酒」。
ところが、その造り方についてはあまり知られていません。
発酵とは酵母菌が糖分を食べてアルコールを出すことですが、お米にはもともと糖分が無いので、
そのままでは発酵しません。そこで麹菌の出番です。麹菌の酵素の力によってお米のデンプン質が
糖分になり、そこに酵母菌を加えて発酵させるという、極めて巧妙で複雑な仕組みによって造られるのです。
良質の菌を操るのが蔵人たちの職人技ですから、酒造りは微生物と人間の共同作業によって誕生する、
命ある飲み物だなぁと大げさに感じたりします。
酒造りを知れば、お酒がまた一段と美味しくなるに違いありません。
「一麹(いちこうじ)・二もと(にもと)・三造(さんつくり)」と言われる日本酒造りの工程です。

 酒蔵米は大粒の軟質米が良い。
 その代表が山田錦です。
 玄米の35〜65%のぬかを取ります。
 真っ白になったお米をていねいに洗米します。
 十分な水を吸わせてから蒸気で蒸します。
 適当な温度まで冷やします。
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←         →

酵母菌を培養します。
 
麹室内で麹菌を増殖します。

元気な酵母が育ち、
お酒のもとが出来上がり。
← ←
麹菌がお米を甘く、
ブドウ糖に変化します。
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→          ←
 酒母に麹米を何回かに分けて加え、
 大きなタンクに元気に発酵させます。
 発酵が進みアルコールが高くなって
 きます。どぶくろ酒ですが出荷はできません。
 もろみになってから20日程かけて発酵を終え、
 圧力をかけて搾られ酒と酒粕に分けられます。
       蔵の中だけで味わえる新酒の誕生、喜びの一時です。
蔵の中でしか味わえなかったお酒しぼりたて生酒の出来あがり。

「できたお酒を蔵出しするのは、可愛い娘を嫁に出すような気持ちです」と蔵人は言います。
今夜も美味い日本酒を一献どうぞ。


◆お酒の用語集◆
酒造好適米
(醸造用玄米)

農水省が認定した日本酒造り専用の品種のことをいいます。
現在全国に50種類以上の品種があります。普通のお米に比べて、大粒で、米粒の中心に『心白』という白く濁ったでんぷんの塊があります。また、アミノ酸のもとになるたんぱく質が少ないことや、溶解性や消化性が良いなどの特徴がありますが、栽培が難しいため高価であり、一般的には吟醸酒などの高級酒にしか使われません。代表的な品種には『山田錦』『五百万石』『美山錦』などがあります。 これらの酒造好適米は確かに優れた品種特性を持っていますが、その品種特性は高度な栽培技術があってはじめて発揮されるものであり、すべての酒造好適米が良い米とは限りません。

精米

精米とは、玄米の外側を削って白米にする作業をいいます。
精米の目的は、米粒の表皮に近い部分に多く含まれるたんぱく質や脂肪分、灰分などお酒の風味を悪くする成分を取り除くことです。どの程度精米したかは、『精米歩合』で表されます。たとえば、精米歩合70%は玄米の外側の3割を削ったという意味であり、精米歩合50%はちょうど玄米が半分の大きさになるまで精米したことを表しています。日本酒は一般的に、米を精米すればするほどよくなるといわれていますが、もともとの原料米にたんぱく質が多い場合や、砕けやすい場合、精米高価は低くなるため、精米歩合だけで酒の良し悪しを判断することはできません。

仕込水

日本酒の80%は水です。
したがって水の良し悪しが日本酒の味わいにも大きく影響します。水には、ミネラル分の多い『硬水』とミネラル分が少ない『軟水』があります。日本の水は一般的には軟水ですが、そのなかでも硬水で仕込んだお酒は辛口で酸度の高い濃厚タイプになりやすく、軟水で仕込んだお酒は甘口で酸度の低い淡麗タイプになりやすいといわれています。

麹(こうじ)

日本酒造りの特徴のひとつは、黄麹菌というカビを利用して米のデンプンを酵母が食べられるブドウ糖に分解することです。
蒸した白米に麹カビの胞子を撒き2昼夜かけて米粒に麹カビを生やしたものを麹といいます。『一麹、二モト、三造り』と言われるほど麹造りは、日本酒の品質に一番影響を与える大切な工程です。

掛米

麹造りに使用しない蒸しただけの米を掛米といいます。
日本酒の仕込みは、麹と掛米と水でおこなわれます。

酵母

糖分を食べてアルコールをつくり出す役割をする微生物です。
日本酒やビール、ワイン、パンにはそれぞれ異なった種類の酵母が使用されます。日本酒造りに使用される『清酒酵母』は麹が作ったブドウ糖をアルコールと炭酸ガスに分解します。清酒酵母の中で優秀な酵母は『協会酵母』として日本醸造協会から全国の蔵元に販売されています。

酒母(モト)

日本酒を仕込む前に酵母を大量に培養するために造られるものを酒母あるいはモトといいます。
酒母もまた、日本酒造り固有の製法といえます。空気中に浮遊しているさまざまな微生物の影響を、乳酸の酸度で防ぎながら、日本酒造りに必要な酵母菌だけを大量に繁殖培養する重要な工程です。乳酸の由来によっていくつかの手法があります。

速醸モト

酒母の仕込みのとき、麹・掛米・水のほかに市販の乳酸を加える近代的な手法で、現在の主流です。淡麗型の酒質になります。

生モト

室町時代から受け継がれてきたといわれる伝統的な酒母の製法。
半切り桶といわれる平べったい桶に麹、掛米、水を加えて、櫂棒で磨り潰す『モト擦り』をおこない、糖分の生成を促しながら乳酸菌を繁殖させ乳酸をつくり出し、最後に酵母を培養する、複雑で熟練の技を必要とする技法です。濃厚なコシの強い酒になります。

山廃モト
(山卸廃止モト)

生モトの『モト擦り』の工程(山卸)が重労働だったため、これを改良して、モト擦りを省略したのが山廃モトです。
生モト同様に自然の乳酸菌の力で雑菌から酒母を守り酵母を育てます。やはり濃厚型になります。

段仕込み

日本酒の仕込みは、麹・掛米・水を3回に分けて仕込む『三段仕込み』が基本です。
これは原料の量を徐々に増やすことで、安全な発酵を促すために、先人たちが編み出した日本酒独特の技といえます。甘さを補充するための『四段仕込み』や軟水で辛口の酒を造るための『二段仕込み』などがあります。

モロミ

仕込が終わった状態をモロミといいます。
これからいよいよ発酵が始まります。三段仕込みの最後(三段目)の仕込をした日を1日目として20日から30日ほど発酵させるため『20日モロミ』とか『30日モロミ』などといいます。

上槽

発酵が終了したモロミは、圧搾機で搾られて澄んだ酒と酒粕に分けられます。その搾る作業のことを『上槽』といいます。
特に大吟醸などは、いつが搾るのに一番適しているかの判断が重要で、長年の間と科学的な分析を組み合わせて決定されています。上槽の方法は、効率よい上槽のできる『連続上槽機』や伝統的な『槽』を用いるのが一般的ですが、鑑評会出品酒など最高級の大吟醸は、目の粗い化繊の袋(酒袋)にモロミを入れて吊るし、自然圧で搾りあがったものだけをとる『袋取り』などで搾ります。

あらばしり

伝統的な『槽』や『袋取り』の手法で搾ると、最初に出てくる酒は薄く濁っています。これを「あらばしり」といいます。
あらばしりは、香り華やかで味はやや粗いですが、その分フレッシュ間のあるお酒です。

中取り(中汲み)

『あらばしり』が出終わると、透明なお酒が出始めます。この透明な部分を『中取り』といい、香味のバランスが優れた部分です。
鑑評会出品酒は、この部分だけを取り出品します。

責め

『中取り』が出終わると、今度は圧力をかけてお酒を搾り出します。そのことを『責め』といい、それで出てくるお酒も『責め』といいます。
雑味が多い柄の悪い部分です。普通のお酒はこれら『あらばしり』『中取り』『責め』が混ざり合っています。

酒粕

モロミを搾り終わった後、圧搾機に残ったものが酒粕です。
同じ量の原料米で仕込んでも、上級酒ほど酒粕の割合が増えます。通常のお酒は使った原料米の20%程度の粕歩合ですが、大吟醸は50%以上にもなります。酒粕は奈良漬けや甘酒に利用されるほか、焼酎の原料として使われたりします。酒粕には若干のアルコール分やビタミンなどの豊富な栄養分があるため健康食品として見直されています。

無濾過/素濾過

搾りあがったお酒には、まだ若干酵母などの微生物や微粒子の状態の未分解成分などが含まれているため、そのままでは、熟成が進むほどにお酒の風味が悪くなることがあります。そのため、通常は活性炭を加えて濾過を行います。早い時期に生まれたてのお酒をそのまま味わうためにあえて濾過しないお酒を『無濾過』と表示することがありますが、極めてデリケートですので熟成には向きません。また、活性炭を使わないで濾過することで、保存性を高めたお酒を『素濾過』ということがあります。

火入れ

濾過が終了したお酒には、まだ麹から溶け出した微生物が生き残っています。それらは、お酒の風味を悪くするため、通常はお酒を60度〜65度程度の温度に温め、残存酵素を破壊し、微生物を殺菌したうえで密封貯蔵します。このことを『火入れ』といいます。この技術はフランスの有名な科学者・パスツールが『ワインの低温殺菌法』として提唱した数百年前から日本に伝えられてきた技術です。

生酒(本生)

通常の日本酒は、火入れを行ってタンクに貯蔵した後、お酒が外気に触れる瓶詰めの際に、もう一回火入れを行います。冷蔵技術が飛躍的に進歩した現在、火入れを行わず低温で貯蔵することでお酒の風味が悪くなるのを防ぐことが可能になりました。『生酒』は一切の火入れを行わないお酒です。低温で貯蔵されているため、フレッシュな風味が魅力的なお酒です。もちろん要冷蔵です。

生貯蔵酒

お酒を生のまま貯蔵して、瓶詰めの際火入れを行ったお酒のことです。

生詰め

いったん、火入れをしてタンクに貯蔵したお酒を瓶詰めの際には火入れをしないお酒です。
江戸時代から秋の風物詩であった『ひやおろし』は、気温が貯蔵酒と同じくらいになったときを見計らって木樽に生詰めされて出荷されていました。生詰めは、熟成によって生まれた風味を生かしたお酒といえます。

割水